incarnation / インカネーション / 31791-4690 SHEEP SHEARLING HIGH NECK ZIP BLOUSON SPIRAL ARM [91 / BLACK]

やや広めで、やや高めのハイネック。

ファーのボリュームを緻密に計算した設計で真冬の凍てつく寒さの中でもスッポリと首元を覆ってくれることで最大限の防寒性を保つことが可能。デザインディテールとしても立体的で曲線的なカーヴを生み出すことで僅かにファスナーを下げただけでも毛足の長い美しいファーをアクセントとして見せる演出が出来る。

ワイドスタンドネックの脇に施されたダーツが立襟する表情を演出し立体的なアイテム構築を作り上げるパターンワーク。

袖はスパイラル（螺旋）パターンを取り入れた美しいアームシルエットデザイン。
立体的かつ人体の運動稼働に沿ったストレスの無い着用感を作り出す実用性も兼ねたパターンワーク。
袖先にはスリットを入れ色気のある手先を演出し、さらに袖から露出するファーがラグジュアリーな印象を作り出す。

ポケットには退廃的で無機質な表情を崩すことの無いスリットポケットデザインを採用。
立体構築パターンの縫製の一部に組み込まれた無駄のないデザインディテールとなっている。

過度な装飾を必要とせず徹底的にストイックに仕上げた理由は’’ここにある’’と考えた。

各所の縫製や立体的なパターンそのもの、ムートン素材が持つ高級感をデザインの一つとして捉えることでアイテム全体を大きく彩り不必要な部分を排除することで十分にこのアイテムは存在感を放ち、「着飾る」に相応しい作品となっているからだろう。

内側を見せるとその圧倒的なムートンファーのボリュームを直視してもらえるだろう。 

黒を基調としたワントーンで構成されたファーと吟面の奥行きのある革のブラックと相成ってラグジュアリーで強烈な色気と男らしい無骨さを演出する。

何故ムートンは保温性があり暖かいのか？

それは、密度の高いファーの熱伝導性が極めて低い特徴を持つために冷たい外気を遮断し、内側の温度を一定に保つ効果があるため保温性が高いと言われている。
上記の特徴の他に更なる特徴の一つとして、着用することでムートンファーの繊維に自身の体温から作り出された暖かい空気の層を取り込み快適な着用温度を実現する。

ムートン素材を深く掘り下げるとまだまだ驚くべき特性を持っていることが分かる。
このレザー素材は吸水性と放湿性にも優れている特性を持ち、毛繊維の奥深くまで水分を吸収する。また表皮（ファーでない部分）は外部の湿度に合わせて湿気を放出する機能を併せ持ち、常に高い水準で暖かく長時間着ていても蒸れない快適な着用感となる。

首元、袖先、裾口から露出する毛足の長いブラックファー。
漆黒のワントーンに染まりながらも室内の光が当たることで僅かに鈍い光沢を放つ。

袖先に入ったスリットデザインがちょうど良いアクセントとなり手先に色気のある雰囲気をプラスする。
 

全身にくまなく行き渡る毛足の長いムートンファー。

抜群の保温性を約束する為上の写真のような薄手のインナーで着用するという一見クレイジーな組み合わせでも十分に冬時期で通用する。

またこのムートンウェアには芯地を用いることなく1枚の毛皮で構築されていることから非常にしなやかで柔らかい質感を持つ。

非常に柔らかな風合いの為「くたっ」としているように見えてしまうがその懸念点も残さず、立体的な構築のジップとスタンドを補助するダーツを周りに施し、配置することで芯地の役割を果たしソリッドなハイネックの構築を実現する。

古くからムートンレザーを取り扱い、熟知したincarnationの熟練した業が垣間見える。

さて、ここからは毛足の長いムートンファーについて実際にどれほどの長さの毛足なのか？
ということを写真上でもご理解いただきたいと考えました。

試行錯誤した結果、手を埋める事でその毛足の長さや密度が伝わるかと思います。

手を翳し、ファーに埋める前の状態。

ファーに手を埋めた状態。

深くしっとりと沈んでいき、長い毛足は指先を覆い隠すほどの長さとなっています。
ムートンファーはゆるくウェーブした毛繊維の特徴を持つ為、弾力性があり肌を密着させる事で快適なクッション性を体感いただけます。

さらにトスカーナムートンは見た目の重厚感とは裏腹に非常に軽量な毛皮となっているので、体全身をファーが満遍なく包みながらも重量感をあまり感じず、ストレスの無い着用が可能となるのです。

ファーの長さについても実際に測ってみました。

上の写真を見てご理解いただけるかと思いますが、４cmほどの長さになっています。
全身をこの長さの毛足で包まれる。

それは例えるのなら、非常に上質な毛布に包まれているような感覚の幸せな着用感を作り出す。

外の光を浴びることでより現実的で実際見ることに近い感覚の色合いとなる。
室内では鈍く光沢していた革の吟面は外の自然光でそのきめ細かな肌質をあらわにし、「生きている」革であることを再認識した。

黒を基調としたファーにも色合いの変化が見られる。 

自然な光を吸収することにより黒い毛足は色艶を増し、隙間のないほど密集した毛足の長いファーは黒の中でも微妙に色合いの異なるグラデーションを作り出す。

しなやかな毛足の雰囲気も感じ取っていただけるだろう。

（Fitting Model / Uranotakahiro / 170cm 54kg / Size_XS）

FITTING PANTS >>> 8388 '' Quiet RAR'' / 13.5オンスストレッチデニムHW加工 N-1ブーツカット [BLACK BK]_SIZE_1

FITTING BOTTS >>> CB-413 "RADIO" / スモーキーレザー#1100ソール エンジニアブーツ [SMOKEY BLACK]_SIZE_41

FITTING INNER >>> 413　ROLL ON / タフストレッチデイリーL/Sカットソー [WHITE] _SIZE_0

デニムパンツ＋エンジニアブーツのストイックなスタイリング。
当店が考える根底にあるベーシックなスタイルはやはりこういった無骨な組み合わせだと考えた。

ムートンブルゾンのラグジュアリーな雰囲気が加わることによって飾り気のないシンプルなスタイリングは洗練され、完成されたスタイルへと昇華する。

粗野で優雅、相反する二つの印象を混在させることで作り出される流行に左右されることのない普遍的なEDENのスタイル。

このムートンブルゾンを用いた今季のスタイル提案はラグジュアリーさを前面に打ち出したワントーンスタイル。

このブルゾンをその身に纏うのならば余計に着飾る必要はないと考えた。

黒を基調としたシックな組み合わせで退廃感を演出し、サルエルパンツとエンジニアブーツの組み合わせにより繊細さをスタイリングの印象にに加えた。

主役であるムートンブルゾンの特異で唯一無二の存在感や佇まいの素晴らしさを体感するのならば、このくらいシックで落ち着いた印象のスタイルで十分なのだ。 

（  Fitting Model / Uranotakahiro 170cm 54kg / Size _ XS ）

FITTING INNER >>> 411　LIVE / タフストレッチデイリータンクトップ [WHITE]_SIZE_0

FITTING PNATS >>> inacarnation denim サルエルパンツ（私物）_SIZE_S

FITTING BOOTS >>> incarnation / インカネーション / 31710IN-7331-VB CALF LEATHER 6HOLES ANCLE LINED GOOD YEAR VIBRAM SOLES [91N / BLACK]_SIZE_42

黒のワントーンで構築された高級感と圧倒的な存在感を放つ美しいムートン・ウェア。

何処までも深く、深淵を覗くような黒の奥に美しいファーが満遍なく広がる。

至高の幸福感に包まれ、暴力的なまでの保温性を有する素敵なモノ。

これ以上に多くの言葉は必要としないだろう。